PP回路における
プレート損失4倍拡張理論とは
プレート損失とは通常DCプレート入力、つまり無信号時プレート入力を意味します。

一方動作直線(ロードライン)上の電流、電圧値はピーク値を表すため、正弦波の実質電力は電流、電圧共に0,7倍されたものを掛け合わせた約0,5倍となります。

                      0,7V×0,7A=0,49W
                                       関連話はこちら

さらにPP回路では波形の正負どちらか、つまり更に波形の半分しか増幅に関わらないので、結局プレート損失の4倍のピーク値まで許容される訳です。


     


ですからPP回路でロードラインがプレート損失の2倍くらいはみ出しても、「こんな出力はめったに出さないので多分大丈夫です。」などという弱気な発言は不要なのです。

当サイトでは無信号時のプレート損失をPds(スタティック・プレートディスペション)、連続信号時のプレート損失をPdd(ダイナミック・プレートディスペション)としてグラフに書き込んでいます。

ただし何事も例外があって、矩形波だけの音楽の場合は同じ波高値でもパワーが2倍になりますからご注意ください。


             


具体的にはシンセの音や歪んだギターサウンドです。その手の雑誌で「クリップしても出力はそのまま増え続け、パワーに余裕がある。」と言った記事が載るのは、図でいうピンク色の部分が増えるからで、性能とは関係ありません。






.